「名刺から経営インフラへ」SansanのPdMが語る、B2B SaaSの進化と自分の成長
名刺管理SaaSから法人向けインボイス管理・契約管理へと拡張するSansan。加藤俊さんがプロダクトマネージャーとして向き合う、仕事の仕組みを変えることの難しさと面白さ。
名刺管理は入り口に過ぎないという言葉から、加藤さんのプロダクト哲学が滲み出ていた。Sansanが次に解こうとしている課題の大きさに、改めて驚かされた。
Sansanの代表プロダクトは、名刺管理という地味なカテゴリで始まった。しかし今、加藤俊さんが取り組んでいるのは、インボイス処理の自動化と契約書の一元管理という、より広いビジネスの基盤の領域だ。
名刺は人と人のつながりを記録するもの。インボイスは企業と企業のつながりを記録するもの。契約書はその関係の約束を記録するもの。これら全部を繋げることで、企業の全ての関係性を一つのプラットフォームで管理できると加藤さんは言う。
その哲学が、プロダクトの設計に滲んでいる。単なるデータ入力ツールではなく、誰が、どの取引先と、どんな関係にあるかを可視化するインテリジェンスツールとして進化しようとしている。
「名刺スキャンという単純な行為が、企業の関係性データベースになる瞬間を見た時、このプロダクトの可能性を確信しました。」
Sansanのプロダクトマネージャーの仕事で、特に独自性のある部分を教えてください。
OCRの精度改善とUXの両立です。名刺の情報を正確に読み取るためのMLモデルの改善と、入力ミスを手軽に修正できるUIの設計、この両方をPdMが橋渡しする仕事は、名刺管理SaaSならではです。
もう一つはB2Bで企業内の複数ロールに使われるプロダクトの設計です。営業担当者、営業マネージャー、経営企画の三者全員が使うシステムで、三者の要求が必ずしも一致しない。そのトレードオフの意思決定が面白いです。
Bill One(インボイス管理プロダクト)の開発で、特に難しかった点は?
会計担当者と経営者で課題認識が180度違うことへの対応です。会計担当者は処理速度と正確性を求め、経営者はコストの可視化と承認フローの効率化を求める。
最終的に会計担当者が使いやすいシステムが、経営者の見たい数字を自動で生成するという設計に落ち着きました。
PdMとしてのキャリアをSansanでどう積んできましたか?
最初の2年間はUserテスト専任でした。週に5件以上のユーザーインタビューをこなしながら、ユーザーが言葉にしない不満を読む力を鍛えました。
3年目からBill Oneのプロダクト開発チームに移り、機能の企画から開発・リリース・検証までの全サイクルを担当するようになりました。
メンターとして、どんな相談者に来てほしいですか?
B2B SaaSのプロダクト開発に興味がある方なら誰でも歓迎します。特にSaaSのPdMになりたいが、エンタープライズとSMBどちらが自分に向いているかわからないという方に、自分の経験を話せると思います。
あとはPdMのポートフォリオをどう作るかという悩みを持つ方。コードを書くエンジニアと違い、PdMは成果物が見えにくい。だからこそ、どんな意思決定をしてどんな結果を出したかをストーリーとして語る力が必要で、そのコーチングが得意です。
Sansanで次の3年間でやりたいことを教えてください。
契約管理プロダクトContract Oneの0→1フェーズを完走したいです。法務・購買・財務が同じプラットフォームで契約情報を共有できるプロダクトは、日本にまだほとんどない。
そして、プロダクトラインを束ねるグループプロダクトマネージャーに成長したいです。
名刺から始まった会社が、企業の全関係性インフラになろうとしている。その大きな転換期に、プロダクトを作る仕事の醍醐味を加藤さんは全身で体験していた。
相談できるテーマ
CONSULTATION THEMESこのメンターが特に得意とするテーマです。相談時の参考にしてください。