freeeのプラットフォームエンジニアが語る「会計SaaS基盤を1000万社に届ける」技術とチーム
中小企業向け会計・人事労務SaaSを展開するfreeeのインフラ・プラットフォームチーム。野中浩平さんと小林奈々さんが、スケーラビリティと開発者体験の両立に挑む裏側を語った。
インフラの野中さんとCSの小林さんという組み合わせは、意図的だった。プロダクトの内側と外側から見たfreeeの強みは、互いに補完関係にあった。
CHAPTER 01100万社超の中小企業データを支えるインフラの設計思想
freeeが会計SaaSとして成長してきた裏側には、膨大な取引データと確定申告データを安全・高速に処理するインフラがある。野中さんのチームはKubernetes上で動くマイクロサービスアーキテクチャの運用と改善を担う。
中小企業の会計データは、3月確定申告シーズンにアクセスが集中します。それ以外の時期の10倍以上のトラフィックが来ることがある。その負荷変動に自動でスケールできるシステムを作ることが最初の大仕事でしたと野中さん。
- 稼働率99.99% SLA(会計閑散期・繁忙期問わず)
- データ量累計取引仕訳レコード数 50億件超(2025年時点)
- スケール確定申告シーズンに平常時比10倍のリクエスト処理
CHAPTER 02CSがプロダクト改善に「直接接続」する仕組み
freeeのCSチームは、顧客からのフィードバックを単にサポートチケットとして処理するのではなく、プロダクトの改善に直接つなぐ仕組みを持っている。
顧客が消費税の計算が合わないと言ってくる時、実際には仕訳の設定が間違っているケースが8割です。でも残り2割は本当にプロダクトのバグやUXの問題。このトリアージをCSが担うことで、開発チームの無駄な調査工数を減らしていますと小林さん。
CHAPTER 03freeeで働くことの意味:「中小企業の経営者の時間を取り戻す」
野中さんと小林さんに共通しているのは、freeeは中小企業のインフラだという感覚だ。会計ソフトが落ちれば、確定申告の作業が止まる。その責任感がモチベーションになっている。
- 課題意識中小企業の年間経理コストは平均120万円(人件費換算)
- freeeの解会計・給与・人事をワンプラットフォームで完結させる
- 達成目標2030年までにユーザー数1000万社突破
取材協力
CONTRIBUTORS今回の取材にご協力いただいた方々です。
技術と顧客の間にある壁を、freeeはCSとエンジニアの協働で溶かしていた。その構造こそが、競合との差別化の源泉なのだと思う。