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組織レポート

シンカのプロダクトチームはなぜ電話・SMS・メールを一画面に統合できたのか?エンジニアが語る設計の思想

顧客接点の分散という普遍的な課題に、技術で挑むシンカのプロダクトチームのリアルを追った。

シンカ株式会社
2026/01/159 min read
山内 聡
取材時シニアエンジニア / シンカ株式会社
現在シンカ株式会社 シニアエンジニア(在籍中)
EDITOR'S NOTE

電話とデジタルチャネルを統合するというのは技術的には簡単ではない。シンカのエンジニアはその複雑さを誇りにしていた。

顧客からの問い合わせが、電話・メール・SMS・チャットに分散している。これは多くの企業が抱える構造的な課題だ。チャンネルが増えれば増えるほど、対応履歴が散在し、顧客体験と業務効率の両方が犠牲になる。シンカが提供するクラウドビジネスフォン「カイクラ」は、これらの接点を一画面に集約することで、この問題にアプローチしている。

シニアエンジニアの山内聡さんは、シンカ入社前にWebサービスの開発会社でB2Bシステムを複数経験してきた。「電話系の技術に触れたのはシンカが初めてでした。入社前は不安もありましたが、今は電話APIとWebアプリの融合が自分の専門領域になっています」と振り返る。

今回は山内さんに、オムニチャネル統合の技術的挑戦と、シンカのプロダクト開発文化についてOPINIO編集部が取材した。電話とデジタルを一つの画面でどう動かすのか、そのリアルに迫る。

Q.01

電話・SMS・メールを統合する技術的な難しさはどこにありますか?

電話は状態管理が複雑なんです。通話中・保留中・転送中といったリアルタイムの状態をWebアプリと同期させるために、WebSocketを使った双方向通信を丁寧に設計する必要があります。メールやSMSはある程度非同期で処理できますが、電話は1秒のズレが体験に直結するので、可用性の要求水準が違います。

チャンネルごとにデータの粒度も違います。電話は音声データと通話ログ、メールはHTML本文、SMSは短いテキスト。これらを統一されたデータモデルで管理するために、抽象化レイヤーの設計に時間をかけました。今では新しいチャンネルを追加するとき、その抽象化が活きています。

Q.02

プロダクトの設計思想を教えてください。どんな哲学で作っていますか?

「現場が使える」を最優先にしています。コールセンターのオペレーターが数百件の対応をこなす現場で使われるので、画面の遷移数を減らすことや、情報の表示優先度を設計するときにかなりシビアに議論します。機能を足すだけでなく、使わない操作を減らすことも重要な仕事です。

技術的な格好良さより、信頼性を選ぶ場面が多いです。新しい技術を試したい気持ちは常にありますが、既存ユーザーが安定して使い続けられることを優先します。その判断基準が社内でも共有されているので、エンジニア間の方向性がブレにくいです。

Q.03

エンジニアの裁量はどの程度ありますか?

仕様の段階からエンジニアが関わるので、裁量は大きいと思います。デザイナーやPMと一緒に要件を詰めるプロセスに、実装の観点でちゃんと意見を言える場があります。「この実装は工数がかかる割にユーザー価値が低い」と主張したら採用された経験が何度もあります。

技術選定も基本的にエンジニアに任されています。ライブラリを変えたい、インフラ構成を改善したいというとき、費用対効果を説明すれば動ける環境です。ただ、スタートアップなのでリソースは有限。優先度をきちんと説明する力は求められます。

Q.04

会社のフェーズ感はどうですか?急成長しているプレッシャーはありますか?

急拡大よりも、プロダクトの完成度を高めることに重きを置いている時期だと感じています。ユーザー数を急増させるより、既存ユーザーの定着率と満足度を上げることを優先していて、その分プロダクトの細部に向き合える環境です。

プレッシャーという意味では、エンタープライズのお客様が増えてきたので、SLAや可用性への要求水準が上がっています。大規模なコールセンターが使うシステムなので、障害は即座にビジネスに影響する。そのプレッシャーはありますが、それを乗り越えた達成感は大きいです。

Q.05

どんな人がシンカのエンジニアに向いていますか?

電話のような、インターネット以前からある技術とWebを融合させることに興味がある人は絶対楽しめると思います。CTI(コンピューターテレフォニーインテグレーション)は専門性が高い分野で、ここで経験を積めるエンジニアは希少です。

あとは、ユーザーの業務フローへの興味です。コールセンターの仕事をちゃんと理解した上で、どう改善するかを考えることが好きな人。純粋に技術が好きなだけでなく、使われる場面を想像しながら設計できる人が活躍しています。

EDITOR'S OUTRO

「顧客接点の統合」という課題は、どの業界にも存在する。シンカのプロダクトがカバーする市場の広さを感じた取材だった。

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